採用広報を「応募数」だけで評価しないほうがいい理由
2025.12.19

目次
採用広報とは何かを、少し違う角度から整理する
採用広報という言葉は、どうしても「応募を増やすための施策」「採用ブランディングの一環」といった文脈で語られがちです。そのため、成果の指標も応募数や認知度に寄りやすく、「やったけれど思ったほど効果がなかった」という評価につながることも少なくありません。
ただ、複数の事例や現場を横断して見ていくと、採用広報は単独で成果を出す施策というよりも、採用プロセス全体のどこに課題があるかを可視化する装置として機能している側面が強いと感じます。
なぜ採用広報が「効かない」と感じられやすいのか
採用広報を始める理由として多いのは、「応募が足りない」「母集団を増やしたい」といった入り口の課題です。そのため、評価も自然と「応募数が増えたかどうか」に寄っていきます。
ただ、この見方だけだと、採用広報の役割をかなり限定的に捉えてしまうことになります。
現場でよくあるのは、こういう違和感
アクセスは増えたが、応募は増えない
応募は来るが、選考が進まない
内定を出しても辞退が多い
これらはすべて「採用がうまくいっていない」状態ですが、問題が起きている場所は同じではありません。にもかかわらず、採用広報を入口対策としてだけ見てしまうと、「効かなかった」という結論に早くたどり着いてしまいます。
採用は「一連のプロセス」として見る必要がある
何のためにやるのかが曖昧なまま始まる
採用活動は、単一の施策で完結するものではありません。大きく見ると、次のような流れで成り立っています。
フェーズ | 起きやすい課題 |
|---|---|
認知・接触 | そもそも知られていない |
興味・理解 | 情報が足りず判断できない |
応募 | 応募のハードルが高い |
選考 | 期待値のズレが生じる |
入社 | 思っていたのと違う |
採用広報は、このすべてを直接解決するものではありません。ただし、どのフェーズでズレが起きているのかを浮かび上がらせる役割は担っています。
採用広報が効くのは、どんな課題に対してか
応募が来ないケース
応募が来ない場合でも、その理由は一つではありません。
知られていない
何をしている会社か分からない
自分に合うか判断できない
このうち、後者2つは「情報の不足」によるものです。採用広報は、ここに対して比較的素直に効いてきます。
応募は来るが、選考が進まないケース
一方で、応募数はある程度あるのに選考が進まない場合、問題は別の場所にあります。
仕事内容の理解が浅い
期待値が高すぎる/低すぎる
会社側の前提が伝わっていない
この場合、採用広報は応募数を増やすというよりも、ミスマッチを減らす方向で効いてくる施策になります。
採用広報を「万能施策」にしないための見方
採用広報について整理するとき、よくある誤解があります。
「採用広報をやれば、採用が全体的に良くなる」
実務で見る限り、これは少し雑な捉え方です。採用広報は、課題があるフェーズに当たると効きますが、そうでない場所には大きな変化をもたらしません。
だからこそ重要なのは、
採用のどこで詰まっているのか
その詰まりは情報で解消できそうか
その情報は今、十分に共有されているか
という順番で整理することです。
現場でよくある相談と、議論が止まるポイント
制作や支援の相談でよくあるのが、「とりあえず採用広報をやりたい」という状態です。ただ、話を聞いていくと、
本当は選考辞退が多い
入社後のギャップが課題
現場と人事で認識がズレている
といった別の問題が見えてくることも少なくありません。
整理できると前に進みやすい観点
採用広報を検討する際には、「やるか・やらないか」よりも、
今、採用プロセスのどこが一番不安定か
そこは情報整理で改善できそうか
という視点を持てると、議論が進みやすくなります。採用広報は目的ではなく、あくまでプロセス改善のための一つの手段です。
採用広報を考える前に、立ち止まって考えたいチェック項目
最後に、自社の状況を当てはめて考えるためのチェック項目を置いておきます。
採用のどのフェーズで手応えがなくなっているか
その原因は「人」ではなく「情報」にありそうか
採用広報で補うべき情報は、すでに社内にあるか
これらを整理したうえで採用広報を考えると、どういった戦略をとるべきかの判断もしやすくなるはずです。
まとめ|採用広報は、採用プロセスを見直すための材料になる
採用広報は、応募を増やすための魔法の施策ではありません。ただし、採用プロセスのどこにズレや詰まりがあるのかを見直す材料としては、非常に有効です。
もし、「採用がうまくいっていない気はするけれど、どこが問題なのか分からない」と感じているなら、一度プロセス全体を整理してみる価値はあります。
SAVVYでは、施策ありきではなく、状況整理から一緒に考える形でのご相談もお受けしています。
「これ、採用広報の話なのかな?」という段階でも構いませんので、気軽に声をかけていただければと思います。


