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新卒と中途を同じ基準で見ていないか、という話

新卒と中途を同じ基準で見ていないか、という話

新卒と中途を同じ基準で見ていないか、という話
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目次

「中途がなかなか定着しない」「新卒が思ったほど育たない」。 こうした相談を受けるとき、制度や市場環境の話に入る前に、まず確認したくなることがあります。

それは、新卒と中途を、同じ感覚で見ていないかどうか、という点です。

採用の現場では、

  • 受け答えがしっかりしている

  • 感じがいい

  • 前向きで素直そう

といった評価が、無意識のうちに共通言語になりがちです。 もちろん、どちらの採用でも大事な要素ではあります。 ただ、それが評価の中心になってしまうと、新卒と中途の違いが見えなくなります。

結果として、

  • 中途なのに活躍するようになるまでが遅く、現場が疲弊する

  • 新卒なのに即戦力を期待され、育成が中途半端になる

といったズレが起きやすくなります。

新卒と中途は、そもそも見ているものが違う

ここで今の話を一度、整理してみます。 新卒と中途は、同じ「採用」でも判断の前提がかなり異なります。

観点

新卒採用

中途採用

採用の位置づけ

将来に向けた投資

いま不足している機能の補填

主に見ていること

人となり、考え方、学び方

職務遂行力、経験の再現性

判断の時間軸

数年単位

入社後すぐ〜半年程度

教育の前提

ある程度は織り込み済み

原則として最小限

ミスマッチ時の影響

育成が長引く

現場負荷が一気に上がる

判断を誤りやすい点

即戦力を期待しすぎる

人柄や熱意に期待しすぎる

こうして並べてみると、同じ感覚で評価するほうが無理がある、というのが見えてきます。

新卒採用で起きやすいズレ

「今できるかどうか」で見てしまう

新卒採用で企業が本来見ているのは、今できることよりも、これからどう育っていくか、という部分です。

もう少し噛み砕くと、

  • どう学ぶタイプか

  • 失敗したときにどう立て直すか

  • 周囲とどう関係をつくるか

といった、時間をかけて効いてくる要素です。

ただ現場では、「学生にしてはしっかりしている」「受け答えが大人っぽい」といった理由で評価が上がり、一方で、少し不器用でも伸びしろのある人を見逃してしまうケースが少なくありません。

新卒採用は、教育やフォローを前提にした判断です。 即戦力かどうか、という視点を強く持ち込みすぎると、期待と現実のズレが生まれやすくなります。

学生が採用サイトで行っている判断は、大きく3つに分けられる

新卒採用サイトで起きている判断を整理すると、大きく次の3つに分けて考えることができます。

  1. ここで働けそうか(適応の判断)

  2. この会社を選ぶ理由が持てるか(納得の判断)

  3. 入社後に後悔しないか(リスクの判断)

どの判断を重く見るかによって、新卒採用サイトで「効いてくるコンテンツ」は変わってきます。

中途採用で起きやすいズレ

「いい人そう」で判断してしまう

中途採用の背景には、たいてい具体的な事情があります。

  • 事業が回らない

  • 特定のスキルが足りない

  • 現場の負荷が限界に近い

つまり中途採用は、「このポジションを、いつから、どのレベルで任せたいか」がはっきりしていて初めて成立します。

にもかかわらず、

  • 一生懸命やってくれそう

  • 周りとうまくやれそう

といった印象で判断してしまうと、「悪い人ではないけれど、任せられない」という状態が起きやすくなります。

中途採用で見ておきたいのは、

  • 直近の業務を一人でどこまで担っていたか

  • 判断を任された場面と、そのときの考え方

  • 想定外が起きたときの対応経験

といった、かなり現実的なポイントです。

同じ面接官が見ること自体が問題なのではない

新卒と中途を、同じ面接官が見ること自体は珍しい話ではありません。 問題になるのは、そのときに頭の切り替えができているかどうかです。

よくあるケースとしては、

  • 新卒面接の延長で中途を見てしまう

  • 中途基準の厳しさを新卒にも当ててしまう

という状態です。

これは面接官個人の問題というより、「今回はどちらの採用なのか」という前提が、組織として共有されていないことが原因で起きるケースが多くあります。

実務でまず分けて考えたいこと

ここまでの話を、実務に落とすと、まず意識したいのは次の3点です。

何を見ているのか

新卒なのか、中途なのかで、

  • どこを見て判断しているのか

  • 何ができていればOKなのか

を、面接官同士で揃えておく必要があります。

何を確かめる場なのか

今回の面接は、

  • 伸び方を見たいのか

  • いま任せられるかを見たいのか

どちらなのか。 これを言葉にして共有するだけでも、質問や評価のブレはかなり減ります。

採用がうまく噛み合わないと感じたときに

採用がうまくいかないとき、 つい「見る目」や「人柄」の話に寄りがちです。 ただ色々お話を聞いていて感じるのは、 噛み合っていない原因の多くが、評価以前の前提整理にある、ということです。

新卒なのか、中途なのか。 今必要なのは育成なのか、即戦力なのか。 そこを一度整理するだけでも、採用の見え方はかなり変わります。

新卒と中途を分けて考えることは、 手間を増やすための話ではありません。 無駄な不採用や、痛い離職を減らすために、 まず立ち止まって確認しておきたい視点の一つです。