なぜペルソナがホームページの成功を左右するのか?
2024.04.26
目次
自社のコーポレートサイトやサービスサイト、採用サイトなど、苦労してつくったホームページの成果が期待通りに出ないと感じたことはありませんか?
コンテンツやデザインなどをテコ入れしながらトライ&エラーを繰り返して改善に努めている方も多いと思います。
しかしその原因は、ターゲットユーザーを十分に理解できていないことにより、ホームページがユーザーのニーズを満たすコンテンツや機能を提供できていないことにあるかもしれません。
ターゲットの不明確さがホームページの成果に影響を与えることは一般に言われていることですが、その解決策としてペルソナの活用があります。この記事では、なぜペルソナがホームページの成功を左右するのかについて、SAVVYの経験則をもとに解説したいと思います。
ペルソナとは?
ホームページ制作におけるペルソナとは、自社のサイトを訪れるであろう理想的な顧客像や、自社製品やサービスを利用する典型的な顧客像を具体的に表した人物イメージ像で、その顧客が誰なのか、何を求めているのか、どのようなニーズや興味を持っているのかを詳細に把握することを目的としています。
あくまでイメージ像とはいえ、年齢や性別、居住地域、職業、年収、家族構成、ライフスタイル、価値観といった具体的なモデルを設定し、実際に存在する人物であるかのように作られるのが特徴です。
ペルソナとターゲットの違い
ちなみに、似た概念として「ターゲット」があります。想定ユーザー像を示す点では共通していますが、ターゲットはペルソナと違ってユーザーの一般的な属性に絞られます。例えば「30代女性」「会社員」「近畿地方在住」といった具合に、幅広い人々が対象に含まれます。
一方でペルソナは個人を具体的に想定する点で異なってきます。1人のユーザーを具体的に描写することで、「同じ属性の他のユーザーにも商品やサービスが受け入れられる」と考えるのがペルソナの基本的な考え方になります。
ペルソナの利点
ホームページ制作においてペルソナを作成することには、大きく2つの利点があります。
設計コンセプトの明確化と精度向上
プロジェクトメンバー間の認識統一
1. 設計コンセプトの明確化と精度向上
まず1つ目。これがペルソナを活用する意義そのものでもあるのですが、ペルソナを作成することで、どのような顧客層に焦点を当てるかがまず明確になります。また、ペルソナを通じて自社サイトを訪れるであろう顧客の特性やニーズも「具体的かつ詳細」に把握することができます。
どんな人が何を求めているのかが明確に見えてくるわけなので、あとはそこに向けてしっかりと刺さる訴求シナリオを練り上げていけばいい、ということになります。
当然、作りあげたペルソナが実際の顧客像と大きくずれてしまっていると効果は見込めませんが、定量的なデータやユーザーの声をもとに、確からしいペルソナを作ることができれば、より効果的なコンテンツやデザインの設計ができるようになります。
そういった意味から、ペルソナはホームページの設計コンセプトを高精度かつ明確にするための必須ツールなのではないかと思っています。
2. プロジェクトメンバー間の認識統一
続いて2つ目の利点として、プロジェクトの開発者や関係者間で顧客像の認識を統一できるという点が挙げられます。これにより、顧客へのアプローチやコミュニケーションに一貫性が生まれるため、全関係者が同じ方向を向きながらそれぞれの業務を進めていくことができます。
逆に言うと、顧客像に関する認識のずれは、ホームページのコンセプトや方針のずれへとつながります。結果として「誰に向けて作られたホームページなのかがわからない」といった事態に陥りかねないため、そうした事故を避ける意味でもペルソナは作成しておくべきと考えます。
ペルソナの欠点
正しく活用すれば非常に有意義なペルソナですが、必ずしも利点づくめというわけではなく、以下のような欠点もあります。
コストと時間がかかる
ペルソナが実際の顧客像とずれていることがある
1. コストと時間がかかる
ペルソナをつくるには、まずターゲットとなる顧客の情報を収集する必要があります。主にアンケートなどの定量データや、実際の顧客のインタビューなどが活用されますが、いずれも相応のコストと時間がかかってくるのがデメリットです。また、集めたデータを分析してペルソナに落とし込んでいく工程にもコストはかかります。
一方で、既存顧客のみをペルソナとする場合には、漠然とはしていてもある程度共通のユーザー像が出来上がっていたりもするため、複数のメンバーですり合わせながら各位納得のいく形に言語化すれば、ある程度確からしいペルソナを作り上げることもできるので、費用対効果を検討しながらケースバイケースで取り組むのがよいと思います。
2. ペルソナが実際の顧客像とずれていることがある
ペルソナは定量的なデータや顧客の声をもとに作ることが重要です。中途半端なデータや、なんとなくの想像、思い込みだけでペルソナを作ってしまうと、実際の顧客像からかけ離れたものになってしまい、必然的にそこから導き出された訴求シナリオやサイト設計が無用の長物となってしまうこともあります。
また、時代の流れにあわせて顧客の意識が変化することも当然ありえます。そのため、ペルソナは作って終わりではなく、定期的に見直して最新の情報に更新していくいことも重要になります。
ペルソナの作り方
上述のように、ペルソナは想像や思い込みに頼らず、しっかりとした分析にもとづいて作っていく必要があります。ホームページ制作というプロジェクト単位に限って言えば、既にある程度ターゲティングされていることが多いため、その解像度を高めていく形でペルソナを形成するのが主流ですが、ここではゼロベースで作成する場合を例にして、SAVVY流のペルソナ作成プロセスをご紹介したいと思います。
SAVVYでは、「STP(※1)」というマーケティングプロセスに沿って必要な情報を活用しながら、具体的なペルソナを作り上げていきます。STPプロセスとペルソナの作成は密接に関連しているため、連携して進めるのが理想です。具体的な手順は以下の通りです。
※1:「STP」とはマーケティング戦略の基本的な枠組みの一つで、セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)の各単語の頭文字を取ったものStep 1. セグメンテーション(Segmentation)
まずは対象となる市場を異なるセグメントに分けていきます。業種や企業規模、年間収益、地域、購買行動、ニーズといった変数を基準に用いるケースが多いです。このステージでは広範囲に市場を見渡し、どう言ったセグメントが存在するかを明らかにすることを目的とします。
Step 2. ターゲティング (Targeting)
続いて、セグメンテーションで明らかにした市場セグメントから、自社のリソースや戦略に最も適合するであろうターゲット市場を選びます。このステージでの選定作業が完了した後に、最も焦点を当てるべき顧客グループが明確になってきます。
Step 3. ペルソナ作成
ターゲティングを終えた後がペルソナ作成の出番です。選ばれたターゲットセグメントにもとづいて具体的なペルソナを作成していくのですが、このステージでペルソナを作ることにより、選定したターゲット市場に対してより深く、具体的に理解を深めることができます。
ペルソナにはターゲット顧客の日常生活、ビジネスの課題、行動パターン、購買決定の動機など、可能な限り具体的で詳細な情報を持たせていきます。
<ペルソナの要素例>
年齢、性別
居住エリア
家族構成
勤務先の業界や業種、企業規模
部門・部署、役職、年収、職種、職歴
ライフスタイル(休日の過ごし方、趣味など)
悩んでいること
よく見るホームページ、よく利用するSNS
STEP 4. ポジショニング(Positioning)
ペルソナが完成した後、それをもとにして自社のポジショニングを決定します。ペルソナに合わせてコミュニケーションの仕方を調整して、ターゲット市場に対して競合とは異なる、あるいは競合より優位となる自社独自の価値を明確にしていきます。これにより、ペルソナに最適化したメッセージングを行うためのコピーライティングやイメージ訴求が可能になります。
と、このように、STPプロセスの中にペルソナ作成を組み込んでいくことで、より具体的でターゲットに特化した訴求シナリオを練り上げることができるようになります。
ペルソナの活用例
さて、苦労して作成したペルソナですが、ではどう使うと良いのでしょうか。作成した後にメンバー間で共有し、「そうそうこんな人にアプローチしたいよね」といった具合に共感しあって終わり、なんてことも実は珍しくありません。ペルソナを作ること自体が目的化してしまうケースです。
ペルソナ作成は目的ではなくあくまで手段の一つで、活用してなんぼです。
ことホームページ制作においては、コンテンツ戦略、デザイン、ユーザーインターフェース設計といった主要プロセスでその有用性が発揮されます。
コンテンツ戦略での活用
コンテンツ戦略では、ペルソナの興味やニーズに合わせて記事・写真・動画などのコンテンツ内容を考えます。SAVVYではペルソナの購買行動における心理欲求にもとづいた独自のフレームワークを活用し、コンテンツ設計の芯となるストーリーを作成した上で、各種コンテンツの記事や写真、動画などを揃えていきます。
デザインでの活用
デザインの面では、ペルソナの美的感覚や使いやすさの好みにもとづいて、ホームページの色使いやレイアウトを決定します。わかりやすいところで、例えば高齢者向けのペルソナでは、大きな文字やシンプルなナビゲーションにする、などです。
ユーザーインターフェース設計での活用
ユーザーインターフェース設計では、ペルソナのWEB上での行動パターンを分析し、その結果をもとに直感的で使いやすいインターフェースを設計します。例えば、WEBリテラシーに精通しているペルソナでは、高度な機能やカスタマイズオプションを提供して使い勝手の柔軟度を高めるなどです。
こうしたの適用例を通じて、ペルソナを具体的に活用することで、ユーザーの満足度を高め、ホームページの成果を最大限に引き出すことが可能になります。
まとめ
このようにペルソナは、ホームページ制作においても非常に重要なプロセスの一つと言えます。ただ、ペルソナは一度作成したら終わりではありません。市場や顧客の変化に対応するために、定期的に見直しや更新が必要です。 自社に合ったペルソナを設定し、より効果的なホームページ戦略を展開するために、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
また、自社でのペルソナ作成が難しい、その時間が作れない、という方は、SAVVYにお問い合わせください。 定期的な見直しなど、後々自走ができるように寄り添いながらお手伝いさせていただきます。