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新卒採用サイトで「尖らせられない」本当の原因

新卒採用サイトで「尖らせられない」本当の原因

新卒採用サイトで「尖らせられない」本当の原因
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目次

新卒採用サイトのコンテンツは、なぜ「無難」になりやすいのか

新卒採用サイトをいくつも見比べていると、「どこも同じようなことが書いてある」と感じる場面は少なくありません。

社員インタビューは前向きで、会社の雰囲気は明るく、成長できる環境で、風通しが良い。一つひとつの表現が間違っているわけではないのに、結果として強い印象が残らない。

これは表現力の問題というより、作られ方の構造に原因があるケースが多いように思います。

新卒採用サイトの無難さは、調整のプロセスから生まれる

新卒採用サイトが無難なものになるとき、現場でよく起きているのは、誰かが意図的に個性を消している、ということではありません。

実際には、
「この言い方は誤解されないか」
「学生に悪く受け取られないか」
「社内で指摘が入りそうではないか」

といった確認を一つずつ重ねていく中で、結果として一番角の立たない表現が残っていく、という進み方をすることが多く見られます。

新卒採用では「間違えないこと」が優先されやすい

新卒採用は、企業にとってもリスクの大きい取り組みです。採用人数が多いほど、ミスマッチや早期離職の影響も大きくなります。

そのため、

  • 尖った表現

  • 誤解を生みそうな言い回し

  • 好みが分かれそうな価値観

は、無意識のうちに避けられがちです。

この段階では、「学生に刺さるか」よりも「問題にならないか」が判断軸になりやすい。結果として、新卒採用サイトは安全で、説明的で、無難な言葉で構成されていくことになります。

社内合意の取り方が、表現を平均化していく

新卒採用サイトは、人事だけで完結するケースは多くありません。経営層、現場責任者、広報、時には法務や労務複数の立場が関わるほど、表現は慎重になります。

実務の現場でよくあるのは、

  • この言い方は強すぎないか

  • 例外があるから断定は避けたい

  • 他部署からツッコミが入りそう

といった調整の積み重ねです。

一つひとつはもっともですが、その結果、最初にあったはずの個性や背景が削られていくことも少なくありません。

無難な表現は、学生にとっては「選びづらい情報」になりがち

企業側にとって無難な表現は、学生にとって必ずしも親切とは限りません。

学生は当然ながら、

  • 何が特徴なのか

  • 自分に合うのか

  • 他社とどう違うのか

を知りたいと考えています。

しかし、無難な言葉が並ぶと「どこも同じに見える」状態になり、結果として決め手が見つからなくなります。

ここで起きているのは、情報不足ではなく、情報の均質化です。

無難さを抜け出すカギは「何を伝えないか」を決めること

新卒採用サイトを無理に尖らせる必要はありません。重要なのは、強い言葉を使うことではなく、何をあえて伝えないかを決めているかどうかです。

  • すべての学生に良く見られたいのか

  • ある程度、合わない人がいてもいいのか

  • どんな不安を持つ学生に来てほしいのか

この整理ができていないと、表現はどうしても平均点に寄っていきます。

無難なサイトが悪いわけではない、という前提

補足しておくと、無難な新卒採用サイトがすべて悪いわけではありません。

  • 採用規模が大きい

  • 幅広い学生を受け入れたい

  • 説明責任を重視したい

こうした場合、無難さが合理的な選択になることもあります。 大切なのは、無難になっている理由を、自分たちで理解しているかどうかです。

まとめ:無難さを選んでいる理由を理解する

新卒採用サイトのコンテンツが無難になるのは、誰かが手を抜いているからでも、センスが足りないからでもありません。多くの場合、誤解を避け、社内で合意を取り、リスクを減らそうとした結果として、そうなっています。

だからこそ大切なのは、無難さそのものを否定することではなく、なぜ今、その無難さを選んでいるのかを自分たちで理解しているかどうかです。

もし今、新卒採用サイトのコンテンツを「このままでいいのか」「増やすべきか」「見直すべきか」で迷っているなら、まずは どんな学生に、どんな判断をしてもらいたいのか から、一度立ち止まって整理してみてください。

無難であることが適切な場合もあれば、伝え方を少し絞ったほうが、結果的に伝わりやすくなる場合もあります。

その違いが見えてくるだけでも、次に取るべき選択は変わってくると思います。